日本製鋼所「技報73号」
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2. J-WiSe®予知保全プラットフォームの開発(18)2.1 プラットフォーム開発のためのコンセプト   (JSW-CPSサイクル)押出機用保全ソリューションJ-WiSe®予知保全プラットフォームの開発2.2 クラウドシステムの利用とMLOps体制の確立ための最適な部品発注や、適切な部品在庫管理、保守計画の最適化など、効率的な保全運用が可能となる。さらに、より多くの運転情報データの蓄積や利用が可能になれば、生産品の品質異常の早期検知や、機械制御の高度化・自動化など、ソフトウェアの観点から新たな製品価値を提供できる。本稿では、当社製二軸押出機(TEX)を対象とし、製品からデータを取得してから保全情報を提供するまでの一連のデータフローにおいて、設計柔軟性を維持しながら自動実行可能なソフトウェア群をクラウド上に配備したJ-WiSe®予知保全プラットフォームと、プラットフォーム上に搭載される故障診断用AIの開発成果について述べる。J-WiSe®予知保全プラットフォームは、AI技術やIoTシステムに加え、取得データの蓄積や処理、情報可視化・提供など多くの機能要素で構成され、これらを同時に開発する必要がある。こうした機械学習を利用したサービス提供システムは、一般に、様々な問題に対応できる多様性を特徴とするが、一方で構成の自由度が高いため、開発当初からコンセプトを明確化して全体を俯瞰しながら開発を進める必要がある。図1は、当社におけるプラットフォーム開発における共通概念図であるJSW-CPS(Cyber Physical System)サイクルを示している。図中の第1・2象限は物理空間を示し、事業・製品領域(Domain)から計測システム機器(IoT)を通じてデータを取得する。第3・4象限はサイバー空間に対応し、取得したデータを蓄積・管図1 JSW-CPSサイクル出典:「平成 28 年版情報通信白書」(総務省)より作成http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc110000.html理するDataの領域と、取得したデータを活用して新しい価値を付与するためのML領域(Machine Learning, ここではAIを含めて機械学習全般を指す用語として使用)に分類される。本サイクルに沿って必要十分な機能開発を進めることで、効率的に開発を行い、早い段階から製品およびユーザに情報を還元できる。さらに、ソフトウェア的観点で性能向上できれば、利用の促進と同時にユーザニーズを含めた新しいデータが取得できるため、より高度な製品開発につながると考えられる。JSW-CPSサイクルでは、実現可能なレベルから開発に着手し、スパイラルアップしながらより高度なサービスシステムへ昇華させることを狙いとしている。予知保全情報を提供するサービスにおいては、予測精度を決定するML自体の性能が重要となるが、それ以外の機能要素も重要となる(1)。必要となる情報すべてを提供可能な単一のMLは存在しないため、計測データの種類や対象部位に応じてMLを複数開発し、運用・管理する必要がある。加えて、サービスが常時利用可能であること、意図しない精度低下やデータ欠損を自動検知できること、蓄積されたデータに基づいた継続的な性能改善が可能であることなどが求められる。したがって、ML開発時点から、運用に関する機能要素も併せて設計しておくことが必要となる。これを実現するために、MLOpsが近年注目されており(2)、本システム開発においてもこの仕組みを基本概念として導入した。次に、J-WiSe®予知保全プラットフォームはAmazon社が提供するAWS(Amazon Web Services)を採用している。AWSにおいては、特定の機能を実現するためにマネージドサービスが提供され、これらを組み合わせることで、一連の処理を自動実行できる処理群(MLパイプラインと呼称)を設計することができる。MLパイプラインを用いることでMLOpsを実現できるアーキテクチャを構築した(図2)。実際のアーキテクチャにおいては、クラウド上に独立した領域を複数設け、MLパイプラインは管理コードにより自動構築可能としている。それぞれの特徴とその目的を表1に示す。データ種に応じた個別パイプライン構築表1 MLOps実現のためのAWSアーキテクチャの特徴とその目的特徴独立領域ごとにアクセスレベル設定MLパイプラインの管理コードによる自動構築目的セキュリティの向上処理内容の一元管理データ増加時の保守性向上入力データの明確な分離個別監視・運用への対応

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