日本製鋼所「技報74号」
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4.1 寸法および重量4.2 材料4.3 強度4.4 オプション写真6 棒状連結器図1 棒状連結器の概略図寸法表1 連結器仕様表2は本連結器に使用される炭素鋼鋳鋼品SC450の機械的性質を示す。本連結器に対して、JIS E7106:2018 鉄道車両−旅客車用構体−設計通則の表4−「旅客車の区分及び車端前後荷重」より引用する「旅客車両及び旅客内燃動車」の荷重条件である引張荷重345 kN、圧縮荷重490 kNの試験を行い、必要な強度を有するものであることを確認した。本連結器のオプションとして、以下の対応が可能である。1) 空気管の追加2) 異音防止としてピン穴部のブッシュを焼結材へ変更 5. メンテナンス半永久形連結器では、定期点検時に連結ボルトを取り外した際やピン穴部のブッシュに摩耗が見られた際に部品交換が必要となる。他方、本連結器は連結器を分解することなく、ピン穴に使用するブッシュの交換のみでメンテナンスが容易である。 6. おわりに今回紹介した棒状連結器は、車両全体の軽量化に寄与するものであり、鉄道のCO2排出量削減の取り組みとして有効な手段である。また、半永久形連結器に比べて、メンテナンスも容易であり、少人化にも寄与できる。今後も、当社はお客様の様々なニーズに応えるため、連結器および緩衝器の開発を引き続き進めていく所存である。表2 SC450の機械的性質(101) 3. 棒状連結器写真6は今回紹介する棒状連結器の外観を示す。本連結器は車両編成の中間部に使用するもので、写真4の半永久形連結器2本を一体化させたものである。質量は半永久形連結器2本分の質量(120 kg~160 kg)に対し、約20 %~40 %の軽量化が可能となる。また、半永久形連結器は互いの連結器をボルト4本で締結するが、棒状連結器は連結ボルトによる締結を不要としており、車両への搭載はピンのみで可能なので、作業の効率化にもなる。 4. 仕 様1) 全長  :1600 mm2) 胴部寸法:□110 mm3) 質量  :約95 kg製品・技術紹介製品・技術紹介

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