3.2 特殊エラストマープレス装置(1ST)の特徴3.3 平坦プレス装置(2ND、3RD)の特徴3.4 プレス制御3.5 熱板の均熱化3.6 真空能力の向上(1ST)3.7 重量基板対策以下の3つの特徴により、高水準な埋め込み性能と平滑な表面加工性能を併せ持ったラミネータ装置としている。①特殊エラストマーの弾性(緩衝)特性による均等な圧力分布。②熱板の平坦性能は15 μm 以下(ヒューズテスト)に調整(平坦性)。③空圧によるダイアフラム方式ラミネートと異なり、高い圧力でプレスすることが可能。熱板の平坦性能は10 μm 以下(ヒューズテスト)に調整している(図2)。さらに特殊なプレスプレートを採用することにより、均一加圧と高精度平坦プレスを具現化した高剛性プレスである。全ての成形ステージにロードセルを搭載し、サーボモータ駆動によるプレス機構を組み合せることにより、様々な成形品に合わせたフレキシブルな加工が可能である。特に平坦プレス装置(2ND、3RD)では、各種プレス制御を巧みに選択することで平坦な基板を得ることができる。圧力制御はロードセルの検出値をフィードバックしたクローズループ制御を行いつつ、プレス盤間の平行を保ったままプレスすることが可能となり、プレス圧力精度の向上を実現した。位置制御では目標位置(厚み)に対して、精度単位±1μmでの位置保持成形(厚み制御)と位置によるプレス量制御が可能である。また、プレス作動の立ち上がり時の速度が速く、サイクルタイム短縮にも貢献する装置である。図2 平坦プレスの熱板の平坦性能(ヒューズによる圧力分布テスト)ラミネート成形において、熱板の温度ムラは成形品の不良に直結する。今までの経験を集約して過去最高水準の均熱熱板を開発した。また、上下熱板の温度制御を従来機から見直すことにより、熱板に温度勾配をつける制御も可能となり、フレキシブルな成形条件の設定を可能にした。気密性の高い真空チャンバと真空回路により、真空ポンプの仕様を最大限活かした真空システムを構築し、真空能力(排気速度、到達度)がより一層向上した。この機能はボイド不良発生率の低減やサイクルタイムの短縮などに貢献する。積層数が多いパッケージ基板など重量化する基板の成形では、フィルム搬送による成形時にその重量によってパスラインを維持できず垂れ下がり、下熱板からの不適切な加熱によりボイドやしわなどの成形不良の原因となる。真空工程時は熱板(熱源)と距離を保つことが重要である。その対策として、図3に示すクランプ機能を有した搬送装置がある。これは、フィルムの高張力維持とパスラインを維持するための重量基板に対応する装置である(図3)。 4. おわりに半導体関係の開発が加速される中でその製造工程の一翼を担う真空・加圧式電動3ステージラミネータ機「MVLP-3ST-αX」を開発した。トレーサビリティの充実、省エネ性の向上、低騒音、クリーンルームへの負荷軽減などの多くのメリットを備える装置となっている。今後もお客様の様々な要求に応え、成形データを蓄積し、ハイスペックなラインナップとして完成度を高めていく所存である。MVLPは株式会社日本製鋼所の登録商標です。図3 重量基板対策システムのイメージ図(103)製品・技術紹介製品・技術紹介
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