二軸押出機TEX®用特殊混練スクリュ森 雅之Masayuki Mori佐賀 大吾Daigo Saga要 旨 Performance of a special kneading screw, "V-Kneading Disk" （VKD）, which has superior kneading performance to the conventional kneading disc （KD）, has been evaluated. As a performance verification test, VKD was applied to a PP compounding process using PP and filler, found out that the screw configuration with VKD had about 10 % higher Esp（Specific energy input） than that with the KD, confirming that the V-shaped screw tip of the VKD is effective in providing high shear energy to polymer. In addition, the distance from the inlet of the plasticizing section to the initial melting point was up to 50 % shorter with VKD compared to KD, confirming that VKD is also effective for efficient melting of polymer.広島製作所 樹脂製造機械部Plastics Machinery Department, Hiroshima Plantい分野において優れた混練性能と吐出性能を示してきた。昨今、押出機に求められる強い期待に応えるためには、従来のスクリュよりも様々な面で優れた混練性能を持つ特殊スクリュの開発が不可欠となっている。メカニカルリサイクルは、廃棄樹脂を樹脂のまま原料として製品に再生する手法であり、ケミカルリサイクルは化学反応によって廃棄樹脂を低分子量化させて、その分解物を再利用する手法である。これらのリサイクルプロセスでは、多くの場合、廃棄樹脂は形・大きさが不均一な粉砕品であり、場合によっては複数種類の樹脂が混合されていることもある。そのため、これらのリサイクルプロセスにお（51）技術報告従来のニーディングディスク（KD）よりも優れた混練性能を有する特殊混練スクリュ“Vニーディング”（VKD）について、その性能評価を行った。性能検証試験として、PPとフィラーを用いたPPコンパウンドプロセスに適用し、VKDを用いたスクリュ形状の方がKDを用いたスクリュ形状よりもEsp（比エネルギー；単位押出量当たりの消費動力）が約10 %向上し、VKDのV字型の山頂部の存在が樹脂に対する高せん断作用付与に有効であることが確認された。また、VKDを用いたスクリュでは、可塑化部の入口から可塑化開始点までの距離がKDを用いたスクリュ形状よりも最大で50 %短縮されており、VKDは樹脂の効率的な可塑化に対しても有効であることが確認された。持続可能な開発目標（SDGs）が浸透した昨今、環境問題に対する関心が世界的に高まりを見せている。廃棄樹脂を適切に処分・再利用することが重要視され始めている中、地球環境への負荷が小さい廃棄樹脂の再利用の手法として、噛み合い型同方向二軸押出機を用いたメカニカルリサイクル（マテリアルリサイクル）やケミカルリサイクルに大きな期待が寄せられている。二軸押出機は、セグメント化されたスクリュの外形およびその組み合わせを工夫することによって、これまで幅広1. 緒 言Special Kneading Element for Twin Screw Extruder TEX®Synopsis二軸押出機TEX®用特殊混練スクリュ
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