食品包装向け無延伸シート成形装置の要素技術とAI・IoT技術ら行わねばならならず、経験豊富なベテランでないと所望の品質を出すことが難しい。そこで当社では、図11に示すように、調整リップに従来のヒートボルト方式にモータを付け加えた「Smart AdjusterTM 」を開発し、既存の自動厚み調整システムである「J–TAC」と連動させることで、リップ調整の完全自動化を可能とした。従来のヒートボルト方式では、熱膨張を利用してリップの間隙を調整するため、可動範囲に限界があり、粗調整を手動で行う必要があった。一方、「Smart AdjusterTM 」は、モータを採用したことで粗調整が可能かつ粗調整量が数値化可能となった。粗調整量の数値化が可能となったことにより、そのデータを「J–TAC」と連動させることで、リップ調整を完全に自動化でき、なおかつ、その調整履歴を記憶させ学習することで、調整時間を短縮できる。また、複数個の調整リップを同時に調整可能なため、幅広のTダイにおいては、大幅な調整時間の短縮に繋がる。最近では、ヒートボルトを廃し、粗調整および微調整もモータで行うことで、図12に示すように、Smart AdjusterTM は従来のヒートボルト方式に比べて、厚み調整が速くなっている。図12 Smart Adjuster(モーター方式)と従来Tダイ(ヒートボルト方式)図13 新設テストライン図11 完全自動Tダイ(59)技術報告
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