2.3 データ群の分類2.4 ロジット変換射出成形機のスマート制御システムにおけるシステム状態値判定2.5 システム状態値の算出ここで、 は時刻ステップにおける対象システム は制御入の目標値、 はシステム状態値とは異なる観測可能な対象力、システムの状態量(以下、観測状態量)、、、、はそれぞれ目標、出力、入力、観測状態量の次数である。観測状態量は必ずしも必要ではないが、対象とするシステムによってはデータセット間の相違度が上がり、データによる局所モデル精度向上が期待でき(2)、(3)、システム状態の判定精度向上に寄与する。前節で例として紹介した射出動作のモータ制御では、樹脂圧力値等がこれに該当する。 は対象システムの出力、距離dがある一定の値dcよりも近いデータが評価データベース内の全てのシステム状態値のデータ群に存在する場合、これらのデータを比較対象から取り除く。また、計測された一連の作業工程の運転データ群(被判定対象データ群)に対しても、評価データベース内の比較対象から取り除かれた共通データに近いデータを判定処理の前に取り除く。計測された被判定対象データ群に対して、評価データベース内のシステム状態値別のデータ群ごとに分類を行う。本開発では、式(3)によって求まるデータ群同士の最近傍距離の積算値Sを用いて分類を行う。ここで、転状態別のデータ群における索引である。は評価対象のデータ数、はシステムの運積算値Sが一番小さいデータ群を該当のデータ群として分類する。ロジット変換の制約のため、式(4)よりシステム状態値を正規化する。はシステム状態値の最小値、正規化の逆変換は式(5)の通りである。システム状態値に範囲制限があるため、上下限付近は判定されたシステム状態値が中央の値に寄りやすく、誤差が大きくなる。前項で上下限付近と分類された被判定対象データ群に対し、式(6)に示すロジット変換を行う。次節で記述するシステム状態値の算出後、得られた値に対して式(7)に示す逆ロジット変換を行い、現在のシステム状態値とする。一連の作業工程分の動作を行った運転結果に対し、評価データベースの全てのデータから式(1)より距離dを求める。次に、距離dが小さいものから個のデータセット集合を近傍データとして、時刻tにおけるシステム状態値を式(8)に基づいて算出する。ただし、重み係数は式(9)を満たす。(3)一連の作業工程分の運転結果に対して得られたを現在のシステム状態値として扱う。の平均値図3に数値解析において検証モデルとした、射出成形機の型開閉システムにおける各要素を模擬したスライドクランク機構システムを有するステージ移動装置を示す。(4)はシスここで、は観測できる最小のテム状態値の最大値である。有効数値であり、に最小値か最大値が入力されてもゼロの対数やゼロ除算にならないよう、ロジット変換が数値処理できるようにしている。(5)(スライドクランク機構システムを有するステージ移動装置)図3 検証解析における検証モデル(63)3. 数値解析を用いた提案法の有効性の検証技術報告(6)(7)(8)(9)
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