射出成形機のスマート制御システムにおけるシステム状態値判定= 0、1000 gの運転データの影響を強く受けていることに起因している。そのため、提案法によるシステム状態値の判定精度を向上させるためには、また評価データベースに格納する上下限付近の運転データを充足させることが必要である。本開発では、機械装置の運転データを用いて、システム状態を数値的に判定する方法を開発した。提案法は制御の結果データやデータベースをそのままシステム状態判定に用いることができる。また、システム状態値の定義範囲において上下限付近の精度を向上できる。提案法により、射出成形機のスマート制御システムにおける判定機能を満たすことができた。また、運転データを基にした制御性能の改善機能(5)を含め、スマート制御システムの基本要素を構築することができた。今後、実際の機械装置における具体的な課題を抽出し、実用化への開発を進めていく。(1) 花山和寛,佐伯明彦,高橋将行,小末将吾:“J-Wise®-射出成形機のIoTソリューション-”,日本製鋼所技報,No.73(2022),pp.73-80(2) S. Wakitani and T. Yamamoto: “Design and application of a sparse GMDH-PID controller”, International Journal of Adaptive Control and Signal Processing, Vol.36 (2022) No.6, pp.1353-1372(3) D. Toyota, K. Nakano, K. Ochi, T. Kinoshita, S. Wakitani, and T. Yamamoto: “Design of a Practical Database-Driven PID Control System Considering State Variable”, Proceeding of the 13th Asian Control Conference, (2022), pp. 1282-1285(4) T. Yamamoto, K. Takao, and T. Yamada: “Design of a Data-Driven PID Controller”, IEEE Transactions on control systems Technology, Vol. 17 (2009) No. 1, pp. 29-39(5) 豊田大輔, 中野耕太郎, 越智清史, 木下拓矢, 脇谷伸,山本透:“データベース駆動型アプローチに基づくPIDパラメータの実用的オンライン調整法”, 日本製鋼所技報, No.73(2022), pp.24-31(65)4. 結 言参 考 文 献
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