オートクレーブ型LDPEリアクター塔内非破壊検査装置の開発と実用化P.E. Akitada Yasutomi米国ケンタッキー州登録技術士安富 章忠*茅野 俊大***Toshihiro Chino1. 緒 言本間 海人**Kaito Homma田中 勇***Isamu Tanaka要 旨博士(工学) 荒島 裕信**Dr. Hironobu Arashima宇川 祐丞***Yusuke Ukawa This report describes the required performance and verification results of the launched non-destructive inspection system of autoclave-type LDPE reactors to apply Fitness-For-Service (FFS) to them. We have confirmed that this novel inspection system enables us to detect flaws in areas that were previously inaccessible due to structural design of the LDPE reactors and secured enough detectability to evaluate local metal loss and crack-like flaws.*:イノベーションマネジメント本部 マテリアル技術研究所 Material Technology Laboratory, Innovation Management Headquarters**:日本製鋼所M&E(株)機器製品部 Steel Structure Engineering Department, Japan Steel Works M&E, Inc.***:日本製鋼所M&E(株)エンジニアリングサービス部 Engineering Service Department, Japan Steel Works M&E, Inc.要の約50 %が食品用、農業用、産業資材用のフィルムに用いられている。当社では、1966年から19ヵ国36ヵ所の石油化学プラントに合計58基のオートクレーブ型LDPEリアクターの納入実績がある。1960~1970年代に製作されたリアクターの老朽化に伴い、シャットダウン検査(SDI : Shutdown Inspection)においてリアクターボディー内表面に減肉や亀裂状欠陥が検出されている(1)。これらの損傷の検出には、検査員が入塔して行う塔内検査作業やボディー外面側からの超音波探傷(UT : (73)技術報告石油化学プラントの低密度ポリエチレン(LDPE : Low Density Polyethylene)製造用オートクレーブ型反応器(LDPEリアクター)への供用適性評価(FFS : Fitness-For-Service)の適用を目的として、現地シャットダウン検査工事に向けた塔内非破壊検査装置を開発し実用化した。開発した装置の適用により、LDPEリアクターの設計構造上、以前はアクセスできなかった部位への探傷が可能となり、さらに検出される減肉や亀裂状欠陥に対する必要な検出能も確保できることから、FFSの実施や追跡調査のための検査と、検査期間の短縮化が図れた。低温でのヒートシールや透明なフィルムなどのLDPEは1000気圧以上の高圧下でエチレンを重合させて製造されている。その密度は0.910~0.924で結晶性が低く軟質であるため加工性が良好で、耐衝撃性、防湿性、電気的性質に優れる。第二次世界大戦中では軍需用に投入され、高周波絶縁性を活かしレーダーの被覆配線や兵器部品の絶縁材料として使用されていた。現在では、全需技術報告Development and Practical Application of Inside Inspection System for Autoclave-type LDPE ReactorsSynopsisオートクレーブ型LDPEリアクター塔内非破壊検査装置の開発と実用化
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