日本製鋼所「技報74号」
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(86)図1 LDPE/EVA製造プロセスフローの穴(ノズル)から水中に押し出され、即座にペレタイザの回転刃で切断されて粒状のペレットに加工される。このペレットは水循環システムによって水冷されながら搬送され、遠心脱水機によって水と分離される。そしてこのペレットは、空送装置によって脱揮・貯蔵サイロへと運ばれ出荷形態にあわせたパッケージング工程へと移送される。 3. LDPE/EVA造粒用単軸押出機の装置構成図2にLDPE/EVA造粒用単軸押出機の装置構成を示す。LDPE/EVA造粒用単軸押出機は、可変速モータ、減速機、スクリュ・シリンダ、ダイプレート、ペレタイザおよびサイドアーム押出機から構成される。これらに加えて、LDPE/EVA造粒用単軸押出機の下流機器として、ペレット冷却・運搬用の水循環装置およびペレット脱水装置が付随する。表1にLDPE/EVA造粒用単軸押出機のラインナップを示す。モデルのPに続く数字はシリンダ内径を表している。シリンダ内径305 mmから800 mmまで6機種表1 LDPE/EVA造粒用単軸押出機のラインナップ図2 LDPE/EVA造粒用単軸押出機の装置構成日本製鋼所技報No.74(2023.11)製品・技術紹介 1. はじめに低密度ポリエチレン(LDPE)やエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)は、反応器内での重合後、造粒(ペレット化)に単軸押出機が用いられる。LDPEおよびEVA製造プラントの処理能力が年々増加傾向にあり、これに伴ってLDPE/EVA造粒用単軸押出機も大型化が進んでいる。当社では処理能力100 t/hに対応可能な世界最大級のLDPE/EVA造粒用単軸押出機P800を開発し、その初号機をお客様へ納入した。本稿ではLDPE/EVA造粒用単軸押出機の概要およびP800の特徴について紹介する。 2. LDPE/EVA製造プロセスLDPE/EVA造粒用単軸押出機が使用される一般的なLDPE/EVAの製造プロセスフローを図1に示す。2段階の圧縮機によって200 MPag以上に圧縮されたエチレンガスおよび酢酸ビニルが管状反応器内またはオートクレーブ反応器内に送られる。これらの反応器内では重合開始剤によってエチレンおよび酢酸ビニルの重合反応が起こり、LDPEおよびEVAが溶融状態で生成される。その後、高圧分離器・低圧分離器を介して減圧すると同時に、未反応のエチレンガスおよび酢酸ビニルを分離・回収する。LDPEおよびEVAは溶融状態のまま低圧分離器に接続された単軸押出機へ供給される。LDPEおよびEVAは単軸押出機内でスクリュによって下流へ搬送されると同時に、単軸押出機の側面に接続された二軸押出機(サイドアーム押出機)から注入された添加剤と均一に混合される。単軸押出機内のLDPEおよびEVAは、単軸押出機先端に設置されたダイプレート製品・技術紹介LDPE/EVA造粒用単軸押出機LDPE/EVA造粒用単軸押出機

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