日本製鋼所「技報74号」
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(94)図1 J650ADS-2M-2300H/2300H 3Dモデル主射出ユニットに対して小さい射出容量であった。今回開発した大容量多機能射出成形機は、図3に示す通り、射出ユニットの配置を標準機から変更することで、同じサイズの射出ユニットを2台搭載可能とし、お客様から要望のあった図4右図に示す大容量の2色成形を可能とした。この2色成形によって塗装レス化を実現でき、成形品メーカの塗装設備が不要、使用時に塗装のはがれが無いなど、外観品質が高められ、さらに環境負荷も低い成形品を作ることが可能となった。図2 従来型 J450ADS-2M-890H/300U レイアウト図3 J650ADS-2M-2300H/2300H レイアウト図4 成形品(従来型(左図)・新型(右図))日本製鋼所技報No.74(2023.11)主側成形部副側成形部(主側と比較し小容量)B側成形部(A側と同容量)A側成形部製品・技術紹介 1. はじめに近年、射出成形機をお使いのお客様から、成形品の付加価値を高めたい、他社との差別化を図りたいというリクエストをお受けすることが多くなってきている。射出成形機に求められる性能も、汎用・シンプルな標準機から、専用・多機能な特殊機へと変わりつつある。当社ではお客様のニーズにお応えするため、多機能射出成形機である2M(2 materials)機のラインナップを拡充することとした。現在、当社ではラインナップとして、汎用機と多機能射出成形機を両立するJ220ADS-2MとJ450ADS-2Mを有しているが、今回、お客様から、大型2色コンテナを当社の射出成形機1台で成形したいとの要望があり、1台の射出成形機に、同じサイズの大容量射出ユニットを2台搭載した特殊大容量射出成形機J650ADS-2M-2300H/2300Hの新規開発を行った。 2. 新型多機能射出成形機の特長図1 と図3 は今回開発した新型大容量多機能射出成形機J650ADS-2300H/2300H の3D モデルとレイアウト、図2 は既存のJ450ADS-2M-890H/300U のレイアウトである。従来機であるJ450ADS-2M-890H/300Uは、図2に示す通り、標準機をベースにしており、副射出ユニットを機械の後方側面に斜めに配置した多機能射出成形機である。副ユニットは副という名前の通り、主射出ユニットで成形した成形品の表面に図4左図に示す通りエラストマー層を付与したりして付加価値を加えるという役割が主で、また射出ユニットの配置の関係上、副射出ユニットの搭載スクリュシリンダは、製品・技術紹介多機能射出成形機「J650ADS‐2M‐2300H/2300H」多機能射出成形機「J650ADS‐2M‐2300H/2300H」

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