技術報告4. 結 言参 考 文 献ロータ表層のUT欠陥自動検出モデルの開発(65)図9 自動判定した欠陥位置と検査結果の比較本稿では検査員の作業負荷の軽減を目的に、B-Scan画像中の欠陥を自動で検出する機械学習モデルを開発した。得られた結果を以下に示す。1)自動検出のアルゴリズムは、ルール判定とCNNを組み合わせたものであり、欠陥の絞り込みを行った後に検査データ中の欠陥座標およびエコー高さの一覧を出力する。2)CNNにおける健全画像と欠陥画像の分類精度を混同行列で評価した結果、学習・検証データの再現率・適合率はともに96 %以上であり、十分な学習を行えていると判断した。3)実機20部材の自動検出結果と検査結果を比較したところ、エコー高さ40 %以上の欠陥に対する検出漏れ率は0 %、過検出率は2.4 %であった。4)上記で推定した欠陥位置を検査結果と比較すると、軸・周・径方向ともに概ね一致しており、本手法の実機運用の目途が得られた。(1) 平順一, 仁村弘樹, 幅寺亮二, 成ヶ澤秀明, 星延幸:“大型タービンロータシャフトへの自動UT装置の適用による信頼性の向上”, 日本製鋼所技報, No.60 (2009), pp. 48-53(2) 星延幸, 吉田一, 仁村弘樹, 成ヶ澤秀明:“フェーズドアレイUTによる大型ロータシャフトの内部品質評価方法の確立”, 日本製鋼所技報, No.65(2014), pp. 89-94(3) 神田昴亮, 東海林一:“多項ロジスティック回帰を用いたきず判定機械学習プログラムの開発-ステンレス鋼溶接部の応力腐食割れ検出への適用-”, 電力中央研究所報告(2023), pp. 1-9(4) 和田貴裕, 井岡良太, 篠田薫, 片山猛, 安部正光, 竹中俊哉, 服部洋:“管端溶接部の溶接欠陥有無自動判定システムの開発”, Hitz技報, Vol.81(2020) No.1, pp. 2-8(5) 斎藤隆泰:“NDE4.0の実現に向けた高性能波動解析技術とデータサイエンスの融合”, 学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点 2021年度共同研究 最終報告書, pp. 1-8日本製鋼所技報 No.75(2024.11)
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