日本製鋼所「技報75号」
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製品・技術紹介 1. はじめに販売を開始した「J-WiSe Cloud Monitor®」は「クラウド技術」を活用し、遠隔地に設置されている射出成形機を簡易に管理したいと考えているお客様に対して提案するソフトウェア製品である。「J-WiSe Cloud Monitor®」を使うことによってお客様は、オフィスにあるパソコン、スマートフォンから海外をはじめとする遠隔地にある工場の射出成形機の状態を監視することができ、工場の稼働状況の見える化を進めることができる。(図1)。 2. 開発経緯現在、射出成形機の管理に関するお客様を取り巻く問題のひとつとして、遠隔地における状況把握の難しさが挙げられ、この問題に関しての解決が必要である。このような問題を抱えるお客様のために「クラウド技術」を積極的に活用した。IoT投資が盛んな現在では「クラウド技術」をベースとした多種多様な「クラウドサービス」が多くのプラットフォーマーから提供されており、それにより本製品の開発を加速することができた。また、「リモートワーク」や「Web会議」等が浸透してきているが、本製品はオフィスや在宅における業務に限らず、工場及びそれらを相互に繋ぐ業務においても有用である(1)。 3. 特徴本システムにより、お客様のオフィスにあるパソコ1)効率的な稼働管理2)導入・運用の容易さ3)安全な利用・運用1)ダッシュボード機能(73)図1 J-WiSe Cloud Monitor®イメージンやスマートフォンの画面上で、遠隔地にある射出成形機の稼働状況を監視することが可能である。射出成形機から自動的に各種データがクラウドへアップロードされるため、お客様はクラウド経由で遠隔地にある射出成形機の稼働状況を、現地に行くことなく把握することが可能である(図2)。本システムを導入する際、パソコンに必要なソフトウェアは一般的なWebブラウザのみであり、追加のソフトウェアのインストールは不要である。またタブレット端末などのWebブラウザでも利用することができ、いつでもどこからでも確認することができる。また、射出成形機のコントローラがインターネット経由でクラウドサーバと行う通信には、専用回線(VPN)を必要としないため、お客様は導入費用を抑えて容易に導入することが可能である。本システムによる射出成形機とクラウドサーバとの通信は全て暗号化されており、クラウドサーバもサーバ事業者が常時監視しているため、お客様の通信やデータに対して、安全でセキュアな環境を実現できた。 4. 機能説明本製品は、以下の機能を有している。各工場の射出成形機をクラウドに繋げて、稼働状況データ等をクラウド上に定期的に自動でアップロードすることによって、どこからでも工場単位での稼働状況を把握することができる機能である(図3)。射出成形機図2 射出成形機とクラウドとの接続イメージ日本製鋼所技報 No.75(2024.11)製品・技術紹介遠隔地の射出成形機の稼働状況を見える化する「J-WiSe Cloud Monitor®®」」遠隔地の射出成形機の稼働状況を見える化する「J-WiSe Cloud Monitor

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