製品・技術紹介2)遠隔手動操作3)プレスライン装置間自動連動4)先入れ回路5)集中管理盤での成形条件一括管理6)集中管理盤での成形条件一括管理従来、調整やメンテナンス時での各装置の手動操作は、制御盤面のタッチパネルもしくは各装置側面に追加で設ける操作BOXで行われていた。しかし、複数台のホットプレス機が並ぶプレスラインでは全長が20 m以上にもなり、操作するためには都度各装置まで移動する必要があった。一方、集中管理システムでは集中管理盤のタッチパネルから各装置の手動操作を行うことが可能となり、作業効率が大幅に向上している(図4)。メンテナンス時は、操作箇所が多くなるため別々の作業者同士による事故の発生リスクが高まる。それを防ぐために各操作エリアを操作レベルごとに分けている。操作レベルは、高い順から、操作BOX、各制御盤のタッチパネル、集中管理盤のタッチパネルとなっており、機械付近で操作BOXを使って作業している間は、他の作業箇所からは非常停止と動作停止釦以外の操作を受け付けない設計となっている。成形開始時は、集中管理盤のタッチパネルから自動搬入スタート釦を押すと、ストッカ、ローダ/アンローダ、ホットプレス機が自動連動し、成形開始する(図5)。まず、ローダ/アンローダがストッカ前まで移動し、ストッカからワークが供給される。次にローダ/アンローダがホットプレス機まで移動し、ワークをホットプレス機へ搬入する。搬入完了後、ホットプレス機での成形動作を開始する。図4 遠隔操作する装置選択画面図5 自動搬入スタート画面熱圧着の成形終了後は、集中管理盤のタッチパネルにて自動搬出モードをONにすることで、ストッカ、ローダ/アンローダ、ホットプレス機を自動連動させ、ワークを下流工程へと搬出する。ワークをホットプレス機に搬入し終えたローダ/アンローダは、再びストッカ位置に戻る。そして、他のホットプレス機に供給するためにワークを受け取るか、もしくは熱圧着後のワークを受け取るために熱圧着工程が終了するホットプレス機の前に移動するか、次の指令に備えて待機する。通常、生産開始時には集中管理盤で成形開始する任意のホットプレス機を選択し、自動搬入スタート釦を押す。その際、ホットプレス機はその時の状況に応じワーク搬入可能になるまでの待ち時間が発生するため、作業者は待ち時間が短いホットプレス機を調べ、選択を行う必要がある。その対策のオプションとして、プレスラインを構成する複数のホットプレス機の中から、待機時間を考慮して効率的な装置を自動で選択し、搬送・成形開始を自動で行う機能がある。このオプションを採用することで、効率的なプレスライン完全無人化が可能となる。従来、ホットプレス機はホットプレス機1台ごとのコントローラでそれぞれ成形条件が作成・保存されていた。また、同一成形条件を他号機へ展開する場合は、成形条件をUSBにコピーして他号機にインストールする操作が一般的であったが、プレスラインでの台数が多くなるとその作業が煩雑となり、多くの時間を要していた。これらの課題を解消するために、集中管理盤での成形条件の一括管理システムがある。これにより集中管理で変更された成形条件はプレスラインにある全てのホットプレス機で同一となり、USBを用いた機器間のデータコピー作業も不要となる。お客様の用意したバーコードを読み取ることで、ワークの情報や成形条件を自動入力することにも対応している。これにより、各種入力作業が削減され、ヒューマンエラーによる品質不良の発生低減に貢献している。 4. おわりに本システムに於いては、新たな付加価値としてホットプレス機のラインのIT化による生産効率を向上することができた。今後も、多様化する客先のIT技術の活用ニーズに応えられるようなシステムの発展に努める所存である。(78)製品・技術紹介
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