技 術 報 告5. 結 言参 考 文 献(43)パルス幅変調制御による噴水焼入れ法の開発日本製鋼所技報 No.76(2025.11)図 15 冷却を速く設定した冷却カーブ (胴径 750 mm 高 Cr 試験ロータ)油焼入れの代替法としてパルス幅変調制御による噴水焼入れ法を開発した。本法を大型鍛鋼品に適用し、油焼入れ相当の冷却速度を実現することができ油焼入れ品と同等の機械的性質を得た。また、焼入れ温度が 1,000 ℃を超え、胴径がφ 1,000 mm を超える高 Cr 鋼製ロータ試験材に本法を適用し、焼割れを発生させることなく油焼入れ相当の冷却を得た。本噴水焼入れ法は任意の冷却状態を得ることが可能であり、製品の機械的性質改善や新製品素材開発に繋がる方法となる。当社は本法の開発によって油槽の撤廃の検討を進め、SDGs を見据えた次世代の熱処理工場へと進化していく。(1) 三塚正志 , 福田敬爾 : “高温鋼板水スプレー冷却時の冷却特性および熱伝達率” , 鉄と鋼 , 69(1983) 第 2 号 , pp. 262-267(2) 三塚正志 : “高温鋼材水スプレー冷却時の表面温度400 ~ 800 ℃間での熱伝達率” , 鉄と鋼 , 69 (1983) 第 2 号 , pp. 268-274
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