日本製鋼所「技報76号」
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製品・技術紹介 1. はじめに(49) 2. 特長表 1 J4000F-22000H 主仕様表図 1 J4000F-22000H 全体外観図図 2 電動機、油圧機型閉じ速度比較日本製鋼所技報 No.76(2025.11)SDGs への取り組みや電力コストの削減といった背景から、省エネ性と生産性に優れた成形機が求められている。また、近年、自動車の電動化が急速に進む中、バンパーやバッテリーケースなどの部品で大型化・プラスチック化が進んでいる。これらのニーズに対応すべく、従来は型締力が 3000トンの機 種(J3000AD、J3000F)が 最 大であったが、 型 締 力を4000トンまで約 30 % 増大、型盤サイズ(タイバー間隔)も約10 % 拡大し、待望の世界最大の電動射出成形機 J4000Fを開発したので、ここに紹介する。表 1 には、J4000F-22000H の主仕様、図 1 には、全体外観図を示す。J4000F は、高性能ハイサイクル機として好評を得ている2 プラテン式超大型電動射出成形機「J-F シリーズ」をベースとしている。シリーズとしては、ハイサイクル性能、省スペース、省エネ、高性能射出装置、堅牢な型締装備、操作性に優れたコントローラーなど、多くの特長を有しているが、特に J4000F 最大の特長を以下に示す。(1)業界最速級のドライサイクルJ4000F は、型開閉、エジェクタ、タイバーロック動作の電動化により、EUROMAP6 記載の条件化において、ドライサイクル 7.6 s(推定)を実現する。他社の油圧機 7.8 s (推定)を上回る業界最速級のドライサイクルを見込んでいる。また、このクラスの型締装置は、油圧駆動が主である為、図 2 に電動制御と油圧駆動との型閉じ速度の比較を示す。油圧駆動の場合は、型閉じ工程において、高速域から低速域への切り替えの際に、少し制御の遅れが発生する為、余裕を持った低速域区間が必要となる。しかし、電動制御の場合は、設定通りの型閉速度制御を行うことができる為、高速域を速く・長く設定可能とし、サイクル短縮に貢献できる。 製品・技術紹介世界最大の電動射出成形機 J4000F の紹介世界最大の電動射出成形機 J4000F の紹介

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